朝日日本歴史人物事典 「利岡中和」の解説
利岡中和
生年:明治21.5.15(1888)
軍人伝道に従事した日本聖公会信徒。高知県高岡郡上ノ加江村(中土佐町)の利岡行一の次男。明治38(1905)年大阪の川口基督教会で受洗。大正6(1917)年陸軍経理学校を卒業,東京帝国大学経済学部に陸軍委託学生として学ぶ。在学中に山室軍平の講演を聞き退官を決意,同9年軍籍を離脱,陸軍主計大尉だった。翌年東京府淀橋区柏木,その後丸ビル地下に汁粉店を開業,伝道集会の場とする。同12年に『コルネリオ通信』を創刊,陸軍の同期生を相手に伝道を始め,翌年軍人伝道を目指してコルネリオ会を創設。昭和16(1941)年応召により機関誌は休刊。このコルネリオ会の軍人伝道は,軍人義会との協力を得て進められ,キリスト教自衛官幹部会(日本OCU)に継承されている。<著作>『基督教秘話 志士横川省三氏之信仰』『真人横川省三伝』『日支事変下の軍人基督者(コルネリオ)』『戦争と平和』<参考文献>利岡和人編『利岡中和遺稿集』,峯崎康忠『軍人伝道に関する研究』
(大濱徹也)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報