利岡中和(読み)トシオカ チュウワ

20世紀日本人名事典 「利岡中和」の解説

利岡 中和
トシオカ チュウワ

大正・昭和期のキリスト教伝道



生年
明治21(1888)年5月15日

没年
昭和48(1973)年10月11日

出生地
高知県高岡郡上ノ加江村(現・中土佐町)

学歴〔年〕
陸軍経理学校〔大正6年〕卒,東京帝大経済学部

経歴
明治38年大阪の川口基督教会で洗礼を受け、日本聖公会信徒となる。大正6年に陸軍経理学校を卒業後、陸軍依託学生として東京帝大経済学部に入学。在学中、日本救世軍の山室軍平の講演に感銘を受け、9年陸軍主計大尉で軍を退いて伝道活動を開始。10年には伝道や集会の場として東京淀橋の丸ビル内に汁粉屋を開業した。12年「コルネリオ通信」を創刊、さらに13年にはコルネリオ会を創設し、軍人に対するキリスト教伝道に尽力。昭和16年に利岡の兵役応召によって同会機関誌は休刊するが、同会の軍人伝道は軍人義会の協力を得て着実な成果を上げ、戦後のキリスト教自衛官幹部会に受け継がれていく。「利岡中和遺稿集」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

朝日日本歴史人物事典 「利岡中和」の解説

利岡中和

没年:昭和48.10.11(1973)
生年:明治21.5.15(1888)
軍人伝道に従事した日本聖公会信徒。高知県高岡郡上ノ加江村(中土佐町)の利岡行一の次男。明治38(1905)年大阪の川口基督教会で受洗。大正6(1917)年陸軍経理学校を卒業,東京帝国大学経済学部に陸軍委託学生として学ぶ。在学中に山室軍平の講演を聞き退官を決意,同9年軍籍離脱,陸軍主計大尉だった。翌年東京府淀橋区柏木,その後丸ビル地下に汁粉店を開業,伝道集会の場とする。同12年に『コルネリオ通信』を創刊,陸軍の同期生を相手に伝道を始め,翌年軍人伝道を目指してコルネリオ会を創設。昭和16(1941)年応召により機関誌は休刊。このコルネリオ会の軍人伝道は,軍人義会との協力を得て進められ,キリスト教自衛官幹部会(日本OCU)に継承されている。<著作>『基督教秘話 志士横川省三氏之信仰』『真人横川省三伝』『日支事変下の軍人基督者(コルネリオ)』『戦争平和』<参考文献>利岡和人編『利岡中和遺稿集』,峯崎康忠『軍人伝道に関する研究

(大濱徹也)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「利岡中和」の解説

利岡中和 としおか-ちゅうか

1888-1971 大正-昭和時代のキリスト教伝道者。
明治21年5月15日生まれ。日本聖公会信徒。陸軍経理学校を卒業。委託生として東京帝大在学中に軍籍を離脱。東京でしるこ店をひらき,伝道をはじめる。大正12年軍人を対象に「コルネリオ通信」を発行。13年コルネリオ会を結成した。昭和46年10月11日死去。83歳。高知県出身。

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