最新 地学事典 「前地」の解説
ぜんち
前地
foreland
多くの褶曲山脈では,その褶曲構造が,それに接するより古期の安定地塊の上に倒れかかるように押しかぶせている。この場合,押しかぶせの前方にある地域を前地(前陸)という。ヨーロッパのアルプスに対するバリスカン地域,スカンジナビアのカレドニア造山帯に対するバルト楯状地,アパラチアに対する内陸安定地域~カナダ楯状地などがこの例。この語はE.Suess(1909)が用いはじめ,暗黙のうちに造山帯の移動の方向を想定しているが,これは絶対的には証明できないので中立的な語としてのクラトンを用いる人が多い。
執筆者:山下 昇
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

