日本大百科全書(ニッポニカ) 「創業スクール」の意味・わかりやすい解説
創業スクール
そうぎょうすくーる
地域で起業できる人材を育成するための公的な有料講座事業。経済産業省中小企業庁が2014年度(平成26)から始めた。正式名称は「地域創業促進支援事業」で、中小企業庁が人材サービス会社を通じて委託した全国の商工会議所や信用金庫などが実施主体となる。起業を希望する人に、有料で経営、マーケティング、税務、会計、広報などの知識やノウハウを提供し、ビジネスプランづくりを支援して、地域における創業を活性化することを目的とする。日本の開業率は近年4~5%で推移しており、10%台の欧米の半分以下の水準に低迷している。とくに大都市以外の地方での開業率は低く、創業スクールの開設は地域に根ざした創業を促進し、雇用を確保して地域活性化につなげるねらいがある。2015年度は全国194か所で開催された。
創業スクールには、2015年末時点で起業手続きや資金調達などを学ぶ「ベーシックコース」(受講料1万0800円)、ベーシックコースのカリキュラムに加えて女性ならではの視点での商品開発などを学ぶ「女性起業家コース」(1万0800円)、過去に失敗した要因を分析して次の起業に生かす「第二創業コース」(5400円)の3種類がある。また創業スクールを通じて、受講者が作成したビジネスプランのなかから、優良なプランを表彰する「全国創業スクール選手権」も実施している。
[編集部 2016年3月18日]