劉隠(読み)りゅういん(英語表記)Liu Yin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「劉隠」の意味・わかりやすい解説

劉隠
りゅういん
Liu Yin

[生]乾符1(874).広東,封州
[没]後梁,乾化1(911).5.10. 広州
中国,五代十国の南漢の事実上の建国者。諡は襄。追尊して襄皇帝。廟号は烈宗。祖父河南から福建に移ったとも,福建に渡来したアラビア人ともいわれ,出自は不明であるが,父の劉謙は広州牙将から封州刺史となった人で,このとき隠はその長子として生れた。彼は指揮厳正で威望高く,父の死後配下諸将反乱を押え,父の任を継いだ。天祐2 (905) 年広州清海軍節度使となり,南漢王朝の基礎を開いた。唐末の騒乱を避けて長安から来広する人々を重用し,文人政治の基を築いた。後梁の乾化1 (911) 年に南平王から南海王に進封されたが,この年没した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の劉隠の言及

【漢】より

…南漢ともいう。建国者劉隠は広州の兵乱を平定し,広東・広西地方に支配を及ぼし,唐末の中原での大混乱を逃れて嶺南に避難した唐朝の名士を優遇して国の基礎を固めた。弟の劉龑(りゆうげん)が後を継ぎ初めて帝号を称し(917),国を大越と号したが,翌年漢と改めた。…

※「劉隠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android