ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「劉隠」の意味・わかりやすい解説
劉隠
りゅういん
Liu Yin
[没]後梁,乾化1(911).5.10. 広州
中国,五代十国の南漢の事実上の建国者。諡は襄。追尊して襄皇帝。廟号は烈宗。祖父は河南から福建に移ったとも,福建に渡来したアラビア人ともいわれ,出自は不明であるが,父の劉謙は広州牙将から封州刺史となった人で,このとき隠はその長子として生れた。彼は指揮厳正で威望高く,父の死後,配下の諸将の反乱を押え,父の任を継いだ。天祐2 (905) 年広州清海軍節度使となり,南漢王朝の基礎を開いた。唐末の騒乱を避けて長安から来広する人々を重用し,文人政治の基を築いた。後梁の乾化1 (911) 年に南平王から南海王に進封されたが,この年没した。
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