廟号(読み)ビョウゴウ

デジタル大辞泉 「廟号」の意味・読み・例文・類語

びょう‐ごう〔ベウガウ〕【×廟号】

霊廟神社などにつける号。
中国朝鮮ベトナムなどで、皇帝・国王の霊を宗廟に祭るときに贈る称号太祖高祖世祖太宗高宗世宗など。

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精選版 日本国語大辞典 「廟号」の意味・読み・例文・類語

びょう‐ごうベウガウ【廟号】

  1. 〘 名詞 〙
  2. みたまや、神社などにつける号。
    1. [初出の実例]「豊国〈略〉帝より豊臣の廟号(ガウ)を賜り豊国大明神とうつしたまふめり」(出典洛陽名所集(1664)四)
  3. 天子の霊を宗廟にまつるとき、贈る名前
    1. [初出の実例]「廟号は顕宗皇帝とまうす」(出典:正法眼蔵(1231‐53)光明)

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改訂新版 世界大百科事典 「廟号」の意味・わかりやすい解説

廟号 (びょうごう)
miào hào

中国で天子の霊をまつるとき,追尊して贈る宗廟の称号。太祖,太宗など祖・宗の前に1字がつく。本来,有功者を祖,有徳者を宗とし,舜が瑞頊(せんぎよく),尭に贈ったのが最初とされ,漢代では功徳高き天子に限って廟号をもち,その廟は毀廟とはならなかった。以後,しだいに廟号をもつ天子がふえ,唐以降では天子はみな廟号を有し,(おくりな)が時代を下るに従い長くなったのに伴い,一般的には天子の名を称するときにこの廟号を用いるようになる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「廟号」の意味・わかりやすい解説

廟号
びょうごう

中国、皇帝の死後太廟(たいびょう)に祀(まつ)るときに、諡(おくりな)とともに追尊(ついそん)して贈られる廟室の称号。たとえば、「群臣(ぐんしん)、諡を上(のぼ)して大武(たいぶ)皇帝といい、廟号を高祖(こうそ)とす」(『旧唐書(くとうじょ)』高祖本紀)とある。廟号の起源は、舜(しゅん)が高陽(こうよう)を「祖(そ)」とし、堯(ぎょう)を「宗(そう)」としたことにあるといわれるが、実際は前漢時代に成立した制度であろう。おおむね王朝の創立者に「祖」(高祖、太祖(たいそ))、その後継者に「宗」(太宗(たいそう)、高宗(こうそう))が贈られるが、格別の法則はない。

尾形 勇]

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