加戸村(読み)かどむら

日本歴史地名大系 「加戸村」の解説

加戸村
かどむら

[現在地名]三国町加戸

三国湊の東北、加越台地の南麓にあり、南は水居みずい村。古くは奈良興福寺領坪江つぼえしも郷に属していたようで、室町時代中期以前の記録「坪江下郷三国湊年貢夫役等事」(大乗院文書)に各善番頭支配下の在家名として「安国」二町九反小、「与一」二町三反六〇歩などを記すが、当村地字中にも「与一」「安国」があり、また同記録中の「西谷」内の在家名「蓮道」も当村地字中に残る。河口庄田地引付(大乗院文書)中の宝徳二年(一四五〇)坪江庄政所高屋一鏡坊が注進した「近年安位寺殿御知行分」のなかに「カトノトクフツ」の名があり、この「カト」は加戸と思われる。


加戸村
かとむら

[現在地名]館山市いな

稲村の東、小さな谷にある村。慶長二年(一五九七)の安房国検地高目録では高九五石余(うち田七三石余)、同一五年の里見家分限帳によると使番の正木五郎左衛門の給知。正保郷帳では高九八石余(うち田七七石余)北条藩領。享保一二年(一七二七)の安房国村々助郷請帳(岩崎家文書)でも北条藩領で、天保村高帳では鶴牧藩領。天保一四年(一八四三)の忍藩領郷村高帳に村名が載り、房陽郡郷考でも武蔵忍藩領で、家数一五。旧高旧領取調帳によると幕末には上野前橋藩領で、明治元年(一八六八)長尾藩領となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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