勘事(読み)コウジ

デジタル大辞泉 「勘事」の意味・読み・例文・類語

こう‐じ〔カウ‐〕【勘事】

《「かんじ」の音変化》
とがめて遠ざけること。また、不興を買って、遠ざけられること。
年月の―なりとも、今日の参りには許されなむ」〈かげろふ・中〉
拷問
「はりつけて、七十度の―を経ければ」〈宇治拾遺・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「勘事」の意味・読み・例文・類語

こう‐じカウ‥【勘事】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かんじ(勘事)」の変化した語 )
  2. しかること。とがめを受けさせること。また、不興をかって、しりぞけられること。勘当(かんどう)。かんじ。
    1. [初出の実例]「不勘事。経申大臣。令処分之類是也」(出典令集解(868)職員)
    2. 「父母侍りける人のむすめに、しのびて通ひ侍りけるを、聞きつけてかうじせられ侍りけるを」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑三・一二三四・詞書)
  3. 拷問。
    1. [初出の実例]「身をはたらかさぬやうにはりつけて、七十度のかうじをへければ」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)二)

勘事の補助注記

について、一説に「拷事(こうじ)」または、「拷ず」の名詞形「拷じ」の意とする。


かん‐じ【勘事】

  1. 〘 名詞 〙 譴責(けんせき)すること。また、譴責を受けること。こうじ
    1. [初出の実例]「宮、かうながらあらば、いたづらになりなんとおぼして、その日かんじゆるさせ給ふ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)

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