勢力圏(読み)セイリョクケン(その他表記)sphere of influence

デジタル大辞泉 「勢力圏」の意味・読み・例文・類語

せいりょく‐けん【勢力圏】

勢力範囲」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「勢力圏」の意味・読み・例文・類語

せいりょく‐けん【勢力圏】

  1. 〘 名詞 〙 勢力が及ぶ区域空間。勢力範囲。なわばり。
    1. [初出の実例]「垂死の国木田君を自分の勢力圏中に入れて置くことの必要を感じたであらう」(出典:東京の三十年(1917)〈田山花袋〉独歩の死)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「勢力圏」の意味・わかりやすい解説

勢力圏[国際政治]
せいりょくけん[こくさいせいじ]
sphere of influence

一国の政治,経済,軍事面における排他的影響力の及ぶ他国領土の一部または全部をいう。第2次世界大戦後,中南米諸国がアメリカの勢力圏,東欧諸国がソ連の勢力圏と呼ばれることがある。国際政治史上厳密な意味で用いられたものとして,次の2つの場合がある。 (1) 19世紀末の植民地獲得競争に際して,欧米列強アフリカを分割して植民地支配を行うのに先立ち,将来の先占を予想して領土権を留保した地域をさす。 (2) 19世紀末,特に 1895年日清戦争後,中国に対する列強の利権獲得競争が本格化するなかで,列強が中国で優先的あるいは排他的な権利を所有するにいたった特定地域をさす。 99年4月イギリスロシアが鉄道利権範囲に関する条約を結び,イギリスは揚子江流域を,ロシアは長城以北をそれぞれの勢力圏と定め,相手国の勢力圏内では鉄道建設を行わない旨を約束したことや,1907年7月日本とロシアが第1次日露協約を結び,中国東北部 (満州) を2分して,日本は南満州を,ロシアは北満州をそれぞれ勢力圏と定めたことなどは,その例である。

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