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勧農或問 かんのうわくもん

世界大百科事典 第2版の解説

かんのうわくもん【勧農或問】

水戸藩の学者藤田幽谷が1799年(寛政11)に著した農政改革論。上下2巻。全編問答体で記す。藩の財政窮乏と士民の生活難により藩勢が衰退した実情を説き,農政上のおもな弊害として,侈惰,兼併,力役,横斂,煩擾の5弊を指摘し,その一つ一つにつき改革策を述べ,結論として財用を節約し仁愛をもって人民を治めるべきことを論じている。水戸藩の農政史研究に不可欠の書。《幽谷全集》所収。【鈴木 暎一】

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

勧農或問
かんのうわくもん

水戸藩の儒学者藤田幽谷(ふじたゆうこく)が1799年(寛政11)に著した農政改革論で、彼の代表作の一つ。上下2巻。上巻に勧農総論として領内の人口減少、農地荒廃の現象を述べ、原弊五条として、荒廃の原因に、侈惰(しだ)、兼併(けんぺい)、力役(りきやく)、横斂(おうれん)、煩条(はんじょう)をあげ、下巻にその排除策を記し、愛人節用を旨として藩財政収支均衡を図ることを主張している。基本的に儒教の仁政思想であり、農村の実情に即した改革論とはいいがたい。のちに幽谷と対立した立原翠軒(たちはらすいけん)学派の大内正敬『勧農或問細評』には儒者の空論と批判している。『幽谷全集』、『日本経済大典』32、『日本経済叢書(そうしょ)』20に所収。[秋山高志]

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