医者坊（読み）イシャボン

デジタル大辞泉

いしゃ‐ぼん【医者^▽坊】

《「いしゃぼうず（医者坊主）」の音変化》
１ 坊主頭の医者。
「女中の酒の座には、頭巾かぶりし―あり」〈鶉衣・隅田川涼賦〉
２ 思うことのかなわないこと。
「叶かなはぬ事を―といふは、汝が事よと笑はれし」〈浮・色三味線・五〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

いしゃ‐ぼん【医者坊】

1. 〘 名詞 〙 ( 「いしゃぼうず（医者坊主）」の変化した語 )
2. ① ＝いしゃぼうず（医者坊主）
   1. [初出の実例]「一座ひとり見知ぬ人、いかさまいしゃぼんらしき風にて候」(出典：浮世草子・好色文伝受（1688）五)
3. ② ( 形動 ) 元祿（一六八八‐一七〇四）頃の上方での流行語。望みどおりにならないこと。また、不可能なこと。
   1. [初出の実例]「かなはぬ事をいしゃぼんといふは」(出典：浮世草子・傾城色三味線（1701）湊)

出典　精選版 日本国語大辞典