十五郎穴横穴群(読み)じゆうごろうあなよこあなぐん

日本歴史地名大系 「十五郎穴横穴群」の解説

十五郎穴横穴群
じゆうごろうあなよこあなぐん

[現在地名]勝田市中根

本郷ほんごう川に南面して南北に延びる舌状台地の崖面、字館出たてだしから指渋さしぶにかけてある約三〇〇にのぼる横穴群。江戸時代すでに「水府志料」に紹介され、館出にある一群は県指定史跡。八世紀を中心に前後一〇〇年ほどにわたって営まれた古墳で、台地の崖面に三段ないし五段に掘込まれてある。

横穴は、構造的には前庭部・羨門部・玄室部を備えるもの、羨道部・玄室部を有するもの、玄室部のみのもの、火葬骨を埋納したと考えられる小規模なものなどが認められる。平面的には胴張りのもの、長方形のもの、台形を呈するもの、棺座を有するものなど変化に富む。出土遺物では方頭大刀を副葬するもの、羨門部から前庭部に蔵骨器や須恵器を埋納するものなど、天井もアーチ状と平坦なもの、壁面は鉄斧状工具による掘削痕をもつもの、その上部を修整したものなどが見受けられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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