千代古道(読み)ちよのふるみち

精選版 日本国語大辞典 「千代古道」の意味・読み・例文・類語

ちよ‐の‐ふるみち【千代古道】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 歌語。行幸のあとの残る昔からの道。行幸の伝統を寿ぎ、行く末久しく栄えることを祝していった。
      1. [初出の実例]「嵯峨の山みゆきたえにしせり河の千世のふるみちあとは有けり〈在原行平〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑一・一〇七五)
    2. 近世国学で、外国の思想漢意(からごころ)にとらわれない、日本古来の思想をいった。
      1. [初出の実例]「やまと魂をうしなへりければ、たまたまよき筋の事はきけども、なほく清き千代の古道には、行立がてになむある」(出典:歌意考(1764))
  2. [ 2 ] 京都市右京区嵯峨にあった旧道常盤から広沢池の東を通り、京から上嵯峨へ通じていたという。山城国(京都府)の歌枕。
    1. [初出の実例]「さがの山ちよのふるみち跡とめて又露分くるもち月の駒〈藤原定家〉」(出典:新古今和歌集(1205)雑中・一六四六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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