千養寺(読み)せんようじ

日本歴史地名大系 「千養寺」の解説

千養寺
せんようじ

[現在地名]水沢市羽田町

門下かどしたの旧あずま街道沿いにある。黒田山と号し、天台宗。本尊千手観音。寺の縁起によれば、嘉祥三年(八五〇)慈覚大師の開創。大師は手ずから立像七尺余の千手観音木像を刻んで当山に安置し一庵を建立、近江比叡山延暦寺末淵山千養寺と称したという。慶長七年(一六〇二)無住となったが、延宝五年(一六七七)出羽羽黒山より覚翁源正が来住して再興し、黒田山と改め仙台仙岳せんがく寺末寺となった。同七年仙台藩主伊達綱村は父綱宗の快癒祈願のため三間四面の本堂を建立、客殿・庫裏鐘楼堂の修理を行った。宝永五年(一七〇八)五月一九日から正徳二年(一七一二)九月二二日に至るまで綱村より祈願を命じられ、毎日二一〇巻ずつ普門品三三万巻を読誦、さらに伊達一家のため一百座の護摩修行を行っている(羽田村志資料)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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