普及版 字通 「升(漢字)」の読み・字形・画数・意味
升
常用漢字 4画
(異体字)昇
8画
[字訓] ます・のぼる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
穀量をはかる器の形。〔説文〕十四上に「十合なり」(段注本)とあり、勺形の器。斗の字形もこれと近く、一斗を入れる。升降の意に用いるのは、陞の意。〔呂覧、孟夏〕に「農(官名)乃ち麥を升(すす)む」とあって、供薦の意に用いる。昇・陞の意に用いることがある。
[訓義]
1. ます、十合入りのます、一升のます、ますめ。
2. 昇・陞と通じ、のぼる、のぼす、神饌として供える。
3. みのる、さかえる、たかくする。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕升 陸詞切に云ふ、升は十合のなり。須(ます) 〔名義抄〕升 マス・ノボル・ススム・アガル・スエ・ヒロフ・イヅ・アグ・ヨシ
[声系]
〔説文〕に升声としてを収める。十二上は「上擧するなり」と訓し、字はあるいは登に従う。登薦の意である。昇は〔説文新附〕七上にみえ、陞は未収。みな升声の字である。
[語系]
升・昇・陞sjingは同声。升を以て供薦するので、昇降の意となる。登tngはもと登薦を意味する字であるが、升と同じくまた昇降の意にも用いる。乘(乗)djing、(騰)dngは、升と登との音の関係に近い。陟tikも声義に通ずるところがある。
[熟語]
升引▶・升栄▶・升縁▶・升屋▶・升遐▶・升仮▶・升華▶・升歌▶・升概▶・升学▶・升気▶・升級▶・升虚▶・升極▶・升恒▶・升降▶・升斛▶・升済▶・升山▶・升車▶・升勺▶・升授▶・升觴▶・升進▶・升躋▶・升仙▶・升遷▶・升第▶・升胆▶・升秩▶・升中▶・升注▶・升▶・升朝▶・升陟▶・升沈▶・升▶・升天▶・升躔▶・升殿▶・升任▶・升発▶・升聞▶・升平▶・升陛▶・升封▶・升踰▶・升輿▶・升用▶・升揚▶
[下接語]
盈升・上升・陟升・斗升・登升・躍升・陽升・蠡升
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報