協定関税率制度(読み)きょうていかんぜいりつせいど

日本大百科全書(ニッポニカ) 「協定関税率制度」の意味・わかりやすい解説

協定関税率制度
きょうていかんぜいりつせいど

通商条約貿易章程を結び、特定の輸出入品目に課する税率を当事国間での協定により決定する制度で、安政(あんせい)五か国条約(1858)の不平等条項の一つ。国定関税率制度に対するもので、関税自主権を規制し、条約を改正しない限り、税率を変更できない。欧米列強が後進国日本との貿易を一方的に有利にする手段として強要したものである。安政五か国条約の付属貿易章程では、この制度が全品目にわたり、日本側にのみ片務的に適用され、しかもその内容が、のちの改税約書(1866)できわめて低い税率に改められた。とりわけ輸入税率の面で、国内産業を保護する手段がとれない明治新政府は、条約改正悲願として交渉にあたり、1911年(明治44)ようやく関税自主権の完全な回復に成功した。

[田中時彦]

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