税額を算出するために課税標準に対して適用される比率のこと。所得税や固定資産税のように,課税標準が金額ないし価額をもって定められている場合には,百分比や万分比で定められるのが普通である。また,酒税のように課税標準が数量をもって定められている場合には,課税標準の一単位につき一定の金額で示される。金額ないし価額を課税標準とする場合には,比例税率といって,課税標準の大小に関係なく税率が一定している場合と,累進税率(〈累進税・逆進税〉の項参照)といって,課税標準が大きくなるに従って税率も高くなる場合とがある。累進税率の中には,課税標準が大きくなるに従ってその全体に対して単純に高率を適用する単純累進税率と,課税標準を多数の段階に区分し上の段階に進むに従って逓次に高率を適用する超過累進税率とがある。
執筆者:金子 宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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