通商条約(読み)つうしょうじょうやく

精選版 日本国語大辞典 「通商条約」の意味・読み・例文・類語

つうしょう‐じょうやく ツウシャウデウヤク【通商条約】

〘名〙 二つの国家間における、通商関係に関する基本的事項を定めた条約関税輸出入制度などを規定し、通常出入国海運に関する条項は含まれない。〔英和外交商業字彙(1900)〕

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デジタル大辞泉 「通商条約」の意味・読み・例文・類語

つうしょう‐じょうやく〔ツウシヤウデウヤク〕【通商条約】

通商航海条約

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改訂新版 世界大百科事典 「通商条約」の意味・わかりやすい解説

通商条約 (つうしょうじょうやく)

通商関係をもつ国と国との経済関係を円滑にするために結ばれる国際条約のこと。正式には通商航海条約treaty of commerce and navigationと呼ばれる。各国貿易の働きによって国民経済を強める必要から,相手国と通商条約を結んで相互に貿易を妨害しないように協定する。国家は政治的区域だけでなく,独立した経済区域をもっているので,そこに特殊な利害関係のあることを相互に承認しあい,通商の放縦および障害に対して条約による制限と保護を与え,両国の経済関係を円満にしようとする。したがって,このような関係にない国を無条約国と呼んで高率関税その他の差別待遇をしている。通商条約の内容は,個々の国情などによって違っているが,その中心となるものは,通商・航海の自由および,関税税率の協定の二つである。前者は,一般的な通商上の親善関係を取り決めたもので,両国の国民は,通商・航海の自由,入国・出国・旅行・居住の自由,営業の自由,動産・不動産の取得および処分の自由などを認めることを約するものである。もっとも,これらの自由は,その国の法令の定める範囲内で認められるものである。後者は,条約国が物品交易を行うとき,その国境を越えて出入りする物品に対し,相互に課する関税についての協定で,1品目につき,その価格または数量の何%を課税するかその税率を取り決める。この税は,おもに輸入品に課する輸入関税であるが,各国はあらかじめ1品目に低い税率と高い税率を定めておいて,条約締約国には低い税率をかけることとする。また,通商条約で個々の品目につきそのつど税率を定めることもある。この協定による税率は,条約の有効期間中は改定が困難であり,国際情勢の変化の激しい現代には適しないので,とくに期間を短くして交渉による改定を容易にするものが多い。条約によって低い税率の関税を相手国に認めた場合,すでに結んでいる条約締結国にもそれと同等の待遇(最恵国待遇)を与えることを約した取決めを最恵国約款(または最恵国条項)という。これは,つねに均等な機会を与えたりあるいは受けたりしようとする近代的国際精神の反映であり,19世紀以後はほとんどすべての2国間通商条約に見られるようになった。

 日本も,アメリカ(1953),旧ソビエト連邦(1958),イギリス(1963)など,多くの国と通商条約を結んでいる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「通商条約」の意味・わかりやすい解説

通商条約
つうしょうじょうやく
commercial treaties

通商航海条約ともいう。締約国相互間の経済交流を促進する目的で,両国国民の入国,居住,身体や財産の保護,営業活動の自由の保証,出訴権や社会保障その他個人の権利保護に関する事項,関税その他の輸出入に関する事項,為替,船舶などの事項について取決めた条約。これらの事項について締約国が相手国の国民および商品や船舶などに与える待遇の内容 (最恵国待遇や内国民待遇など) を主に規定するが,ほかに領事関係について規定することもある。長年にわたって2国間の経済交流の基本的枠組みを設定する中心的な条約として機能してきたが,1970年代以降,民間直接投資に関しては,別に投資保護条約が詳細に規定するという方式が次第に一般化してきている。

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