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南東欧安定協定 なんとうおうあんていきょうてい/みなみとうおうあんていきょうてい Stability Pact for Southeastern Europe

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知恵蔵の解説

南東欧安定協定

コソボ紛争を教訓として、軍事力によらずにバルカンの紛争抑止と安定を図るため、バルカン諸国を欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)による欧州大西洋機構に引き入れようとする目的の協定。1999年6月、ユーゴ空爆停止を受けて主要8カ国(G8)が中心となり、日本を含む28カ国、17機関がケルンに集まり協定を成立させた。同年7月末、サラエボで南東欧安定首脳会議が開催され、協定が動き出した。民主主義、人権、市場原理に基づく欧米社会の基本的価値観をバルカンに根づかせ、紛争の発生を防ぐことが目指され、そのためのバルカン諸国の努力を支援し、経済復興を援助する総合的なアプローチがとられる。具体的には、EUがバルカン諸国の欧州統合を射程に入れて、協定の実施を積極的に進めている。協定による支援対象国は旧ユーゴのボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアマケドニアユーゴスラビア連邦(現セルビア共和国とモンテネグロ共和国)の4国とアルバニア。2000年3月、ブリュッセル開かれた南東欧支援国会議で、バルカン諸国の改革努力が認められ、経済復興、民主化、安全保障プロジェクトに25億ユーロの支援が決められた。この協定の問題点は、EUスタンダードを個々の国につきつけることにより、自立的なバルカン地域協力の試みが後退したことである。同年10月の「民衆革命」によってミロシェビッチ政権が崩壊すると、コシュトニツァ新大統領のもとで、ユーゴも同月末に正式に参加した。

(柴宜弘 東京大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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