南部梅林(読み)みなべばいりん

日本歴史地名大系 「南部梅林」の解説

南部梅林
みなべばいりん

晩稲おしねを中心としたゆるやかな丘陵地に約三〇万本の梅が栽培されている。この辺りは古くから梅の栽培が行われていたが、その中心は埴田はねた(現南部町)で、「紀伊名所図会」には埴田梅林としてみえる。しかし、埴田はしだいに養蚕業に転じて梅林は桑畑となり、代わって谷口たにぐち・晩稲・熊岡くまかが盛んになってきた。

大正一〇年(一九二一)九月二三日の和歌山県勧業月報にその変遷が述べられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の南部梅林の言及

【南部[町]】より

…海岸沿いを熊野街道(現,国道42号線)が通じ,東岩代川河口から目津崎までの千里浜は《枕草子》などにも記され,古くから景勝地として知られた。アジ,イワシなどの沿岸漁業も行われるが,北に接する南部川村にかけて南部川段丘の南部梅林での梅の産が多く,梅酒用青梅や梅干しが全国に出荷される。海岸部は田辺南部海岸県立自然公園に含まれ,千里浜はアオウミガメの産卵地としても著名。…

【南部川[村]】より

…南隣の南部町域にかけては,平安末期から中世には南部荘の地であった。農林業が中心で,とくに南部川沿いの段丘にある南部梅林での梅の生産は,南部町とともに全国一といわれる。江戸末期には埴田(はねた)(南部町)が第1の産地として知られたが,やがて当地の晩稲(おしね),谷口,熊岡(くまか)などが中心となった。…

※「南部梅林」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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