単位産業別組合(読み)たんいさんぎょうべつくみあい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「単位産業別組合」の意味・わかりやすい解説

単位産業別組合
たんいさんぎょうべつくみあい

日本では、1産業における単一組織や産業別の連合体・協議会組織などを明確に区別しないで、1産業で組織されている労働組合を単位産業別組合単産)とよんでいる。しかし、より厳密にいえば、同一産業の労働者を、熟練・未熟練の区別なく、また職業職種、正規従業員・非正規従業員を区別せずに、個人加盟を基本にして一つの組織を構成する組合組織を、産業別単一労働組合あるいは単産という。この組織形態が採用されるのは、同一産業の労働者をより多く組織するのに有効であり、また使用者に対する交渉力を強め、それにより同一産業における労働条件の向上と均一化に役だつからである。ただし、日本では個々の企業ごとにその正規従業員によって結成される企業別労働組合が一般的であるため、産業別単一組織は比較的少なく、全日本海員組合海員)、全日本損害保険労働組合(全損保)ぐらいである。

村下 博・吉田美喜夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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