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産業別組合 さんぎょうべつくみあいindustrial union

翻訳|industrial union

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

産業別組合
さんぎょうべつくみあい
industrial union

産業別に組織された労働組合。単に産別ともいう。イギリスやドイツなどでは,初期の労働組合は職業別・職能別組合 craft unionが一般的形態だった。資本主義の進展のなかで不熟練工がふえ,これに対応してまず一般労働組合,次いで海陸の運輸労働者などによる産業別組合が発達し,主流を占めるようになってきた。しかし日本で産業別組合といわれるものの多くは,企業別組合の業種別連合体であり,労働者の直接個人加入による単位組合としての産業別組合は少い。なお最近は,関連異種産業の労働組合を包括した「複合産別」 (ゼンセン同盟など) を指向する傾向も出ている。 (→企業別組合 )  

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百科事典マイペディアの解説

産業別組合【さんぎょうべつくみあい】

同一または類似産業の労働者を職種や熟練の別なく事業場,企業のわくを越えて組織した労働組合職業別組合に対比される。職業別組合が労働運動の初期の段階で熟練労働者を中心に発達したのに対し,産業別組合は独占資本主義段階に入って不熟練労働者の増大とともに発展し,現代の先進諸国の労働組合組織の典型的なものとなっている。
→関連項目クラフト・ユニオン新産別統一協約ナショナル・センター

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世界大百科事典 第2版の解説

さんぎょうべつくみあい【産業別組合 industrial union】

一産業内の全労働者を組織対象とする労働組合をいい,現代労働組合の基本的形態である。初期の労働組合は一般に職業(職能)別組合(クラフト・ユニオン)として熟練労働者の間で組織され,低熟練労働者は排除されていたが,大量生産工業の発展にともない,万能工的な熟練労働者に代わって,未熟練労働者を企業内で訓練してしだいに上位の職務に配置する方式が一般的になったため,熟練・不熟練の区別なく団結することが必要になった。

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大辞林 第三版の解説

さんぎょうべつくみあい【産業別組合】

同一の産業に従事するすべての労働者を、企業・職業・職種や熟練・非熟練に関係なく組織する労働組合。労働者個人を構成単位とする。産業別労働組合。産別組合。 〔日本では一部例外を除き、企業別組合単位の加盟による連合体または協議体が多い〕 → 単産

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

産業別組合
さんぎょうべつくみあい
industrial union

職種や熟練度の違いにかかわりなく、同一産業に従事する全労働者を一つの労働組合に組織するものであり、一産業一組合がモデルとなる組織である。それに対して、職業別労働組合(クラフト・ユニオン)は、特定の職業や職種の熟練労働者を中心に組織される。
 産業別組合は資本主義の独占段階に対応して成立・発展した。すなわち、生産過程の機械化を中心とする大量生産方式の発展に伴い、旧型職種や熟練の解体が進行し、大量の半熟練・不熟練労働者が生産過程に導入された。一方で巨大企業内で分立する職業別組合は弱体化し、ここに、同一産業における労働条件や作業環境の共通性を基礎とし、職種や熟練度の違いを越えて一つの組合に組織する産業別組合という組織形態が必要かつ有効なものとなった。イギリスでは1913年設立の全国鉄道労働組合がもっとも早かった。アメリカでは1920年代から1930年代にかけて、職業別組合主義にたつアメリカ労働総同盟(AFL)の一部を改組し、広範な不熟練労働者の組織化を図る運動が高まり、使用者側の弾圧に抗しつつ、1938年に産業別組合会議(CIO)が結成された(1955年に合同してAFL-CIOとなる)。産業別組合は資本主義の独占段階の組合組織として今日支配的地位を占めている。なお、日本の産業別組合は、一部の例外を除き個人加盟の単一組合ではなく、企業別組合の産業別連合体または協議体である。こうした日本の産業別組合は、単位産業別組合(単産)とよばれている。[早川征一郎]

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世界大百科事典内の産業別組合の言及

【職人組合】より

…職人組合が独自の居酒屋を経営する問題や,病気や死亡した職人ならびに異国から遍歴してくる職人の世話をめぐる問題が,ツンフトから職人組合が独立していくきっかけとなっていった。職人組合がこのように他国の職人に開かれた組織をつくっていたことは,今日の西欧の労働組合が企業別組合ではなく産業別組合である歴史的背景となっているのである。【阿部 謹也】。…

【労働組合】より

…つまり労働組合は,一定の範囲の労働市場の労働者を組織して,使用者が労働組合と取引することなしには必要な労働者を獲得できない状態をつくり出し,そのうえで労働条件の交渉を行うのである。その労働市場の範囲のあり方にしたがって労働組合の形態は,職業別組合(クラフト・ユニオン),産業別組合一般組合,あるいは日本に多い企業別組合というような,さまざまな組織形態に分かれる。この労働市場のあり方は時代により国によって異なるため,労働組合の組織形態もこれらの条件にしたがって変化している。…

※「産業別組合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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