結晶構造の表現のために、空間格子をブラベ格子に従って分類する型の一つで、もっとも基本的なものである。空間格子の単位格子は8個の格子点を頂点とする平行六面体の形となり、その単位格子に頂点以外の格子点を含まないものが単純格子である。各頂点の格子点は平均して1/8ずつ一つの格子内に含まれる(8個の単位格子に共有される)ので、格子は正味1個の格子点を含む。格子に含まれる格子点の正味の個数を格子の多重度といい、単純格子の多重度は1である。三斜、単斜、斜方(直方)、正方、立方(等軸)、三方(菱面(りょうめん)体)および六方の各晶系に単純格子があり、記号Pで示されるが、菱面体晶系の場合だけはRを用いる。
[岩本振武 2015年7月21日]
単位格子の頂点のみに格子点が存在するような空間格子のことをいう.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…図はブラベ格子のおのおのの単位胞を示し,後ろ下方の格子点を原点として,前,右,上の方向([10])のみは,下方の格子点を原点として,前,右,左の方向)がそれぞれa,b,c軸である。第3列のPは単純格子,Cは底心格子,Iは体心格子,Fは面心格子,Rは菱面体格子を表す記号で,それぞれに付けた[10]などは記号ではなく,図に対比させる番号である。単純格子は単位胞の角にだけ格子点がある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」