単結晶合金(読み)たんけっしょうごうきん(その他表記)single crystal alloy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「単結晶合金」の意味・わかりやすい解説

単結晶合金
たんけっしょうごうきん
single crystal alloy

単結晶は,試料のどの部分をとっても原子配列が同一である結晶質の固体である。現実の合金単結晶は不完全結晶であり,局所的に原子的尺度での配列の乱れた部分 (格子欠陥) ばかりでなく,もう少し大きい尺度で原子配列が乱れた部分の集合,つまりモザイク結晶になっている場合が多い。これに対し,半導体 Si (シリコン) ウェハーは完全単結晶のよい例である。物性は単結晶で典型的に現れる場合が多く,詳しく調べられるので,物性の基礎的研究試料として用いられる。良質な合金単結晶は,結晶粒 (単結晶領域) と結晶粒の間の結晶粒界がなく,不純物の粒界偏析もないので,耐熱性のよい材料となる。高温で高速回転するジェットエンジンのタービンブレード (動翼) として,ニッケル基の超耐熱単結晶合金が注目されている。

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