卯垣村(読み)ぼうがきむら

日本歴史地名大系 「卯垣村」の解説

卯垣村
ぼうがきむら

[現在地名]鳥取市卯垣・卯垣一―五丁目・立川町たちかわちよう六―七丁目

矢津やづ村の南東、立川村の北東に位置する。法美往来が通る。しやく山の南西狭間はざまにある古苗代こなわしろと称される五畝ほどの半月形の田地は、稲葉大明神が稲苗を植えた地で、因幡国名起源となったと伝える(岩美郡史)。永禄六年(一五六三)一二月一一日の山名豊数宛行状(譜録)によれば「法美郡之内坊垣百石」が秋里与四郎に与えられている。

藩政期の拝領高は四六八石余、本免は五ツ五分。藪役銀七匁余・宇倍野山役米三斗余を課されており(藩史)、大場氏・吉田氏・野崎氏・藤田氏の給地があった(給人所付帳)。「因幡志」によれば家数二一で、出茶屋が八軒あり、川苔を産した。安政五年(一八五八)の村々生高竈数取調帳では生高四八七石余、竈数二七(うち家中四)、ほかに山奉行一。城下近郊のため城下とのかかわりが多くみられ、享保三年(一七一八)滝山たきやま村在住の木戸十右衛門が武芸教授のため当村に稽古場と屋敷地拝領を願出ているのをはじめ、明和三年(一七六六)には高田平治郎が村内の七反の畑を拝領している(在方諸事控)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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