鳥取市(読み)トットリシ

デジタル大辞泉 「鳥取市」の意味・読み・例文・類語

とっとり‐し【鳥取市】

鳥取

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日本歴史地名大系 「鳥取市」の解説

鳥取市
とつとりし

面積:二三七・〇一平方キロ

県東部にあり、東は岩美いわみ福部ふくべ村・国府こくふ町、南は八頭やず郡家こおげ町・河原かわはら町、西は気高けたか鹿野しかの町・気高町に接し、北は日本海に面する。中央部東寄りを千代川が北流して日本海に注ぐ。東からふくろ川が北西流し、西部では南西から北東へ野坂のさか川・湖山こやま川・有富ありどめ川・砂見すなみ川などが流れ、いずれも千代川に合流している。これらの河川によって千代川両岸には広い鳥取平野が形成されている。北の海岸部には浜坂はまさか砂丘・湖山砂丘・末恒すえつね砂丘が連なり、千代川西岸の湖山砂丘南部に潟湖の湖山池、同川東岸浜坂砂丘南部に多鯰たねヶ池がある。北東部千代川東岸に久松きゆうしよう(二六三・一メートル)本陣ほんじん山、摩尼まに(三五七メートル)などの低山地があり、南部山地は稲葉いなば(二四八・九メートル)霊石れいせき山から続く高原状の山地、千代川西岸には南西部のたか(一〇五三・六メートル)を最高峰として広い範囲が山地となっている。市街地の中心は久松山南西麓の旧鳥取城下地域にあり、鳥取市役所・鳥取県庁などの公的機関が置かれている。国道九号が北部を東西に走り、一部鳥取バイパスが分れている。市街地から南へ千代川東岸沿いに国道五三号、市街地から南東へ国道二九号が延びる。JR山陰本線が北東から市街地南部の鳥取駅を経て湖山池北岸を西進。西部には湖山駅・末恒駅がある。鳥取駅からほぼ国道二九号に沿ってJR因美いんび線が延び、途中に駅がある。千代川河口に重要港湾鳥取港、湖山池北側の砂丘地に鳥取空港があり、県東部の陸・海・空の玄関となっている。

市域は律令制施行以来邑美おうみ郡・高草たかくさ郡全域と法美ほうみ郡西端部、八上やかみ郡の一部に相当し、中世から近世にかけて郡域に若干の出入りがあった。市名は「和名抄」記載の邑美郡鳥取ととり郷に由来し、戦国期、久松山に築かれた鳥取城は近世を通じ因伯二国統治の拠点となり、その城下鳥取町が発達した。

〔原始・古代〕

旧石器時代の遺跡は今のところ発見されていないが、浜坂砂丘から旧石器時代末から縄文時代初めのものとされる黒曜石製の石槍(有舌尖頭器)が出土している。縄文時代の遺跡は砂丘上・砂丘後背地・河川流域台地上に分布し、前期から後期にまたがる桂見かつらみ遺跡をはじめ青島あおしま遺跡・布勢ふせ遺跡・岩吉いわよし遺跡・栃木山とちぎやま遺跡・追後おいご遺跡・大路川おおろがわ遺跡などがある。青島遺跡からは山陰地方で初めて縄文土器が出土した。弥生時代の遺跡は河川流域の自然堤防や台地上、谷戸地にあり、青島遺跡・岩吉遺跡・古郡家ここおげ遺跡や銅剣が出土した西大路土居にしおおろどい遺跡などがある。


鳥取市
とつとりし

2004年11月1日:鳥取市が岩美郡国府町・福部村、八頭郡河原町・佐治村・用瀬町、気高郡気高町・鹿野町・青谷町を編入
【福部村】鳥取県:岩美郡
【国府町】鳥取県:岩美郡
【鳥取市】鳥取県
【河原町】鳥取県:八頭郡
【佐治村】鳥取県:八頭郡
【用瀬町】鳥取県:八頭郡
【気高町】鳥取県:気高郡
【鹿野町】鳥取県:気高郡
【青谷町】鳥取県:気高郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鳥取市」の意味・わかりやすい解説

鳥取〔市〕
とっとり

鳥取県東部,鳥取平野を中心とした日本海沿いに広がる市。県庁所在地。東で兵庫県,南で岡山県に接する。県の文教,政治,経済の中心地。 1889年市制。 1923年富桑村,1932年稲葉村,1933年中ノ郷村,美保村,1937年賀露村をそれぞれ編入。さらに 1953年倉田村,面影村,神戸村など 15村,1955年米里村,1963年津ノ井村をそれぞれ編入して市域を拡大。 2004年には国府町,福部村,河原町,用瀬町,佐治村,気高町,鹿野町,青谷町の8町村を編入した。地名は鳥をとることを職業とした鳥取部に由来。中心市街地は,天文 14 (1545) 年山名誠通が築城。元和3 (1617) 年池田光政が因伯2国の領主として城下町の拡張を行ない,今日の基礎をつくった。千代川が市域を貫流し電機,機械,繊維,食料品,家具などの工業が発達。農村部では米,二十世紀梨,タバコ,野菜を産する。鳥取砂丘の東部内側は西日本有数のラッキョウの産地。賀露は古くからの港で,マツバガニ (ズワイガニ) ,イカなどを水揚げする。西方には「因幡の白兎」伝説の白兎海岸や「湖山長者」伝説をもつ湖山池,鳥取大学がある。海岸部一帯は山陰海岸国立公園,東南の山間部は氷ノ山後山那岐山国定公園に属し,鳥取城跡 (国指定史跡) ,観音院庭園 (国指定名勝) ,布勢古墳 (国指定史跡) ,鳥取県立博物館,摩尼寺,玄忠寺の荒木又右衛門墓所,鳥取温泉などがある。因幡の菖蒲綱引き行事は国の重要無形民俗文化財。用瀬の伝統行事「流し雛」は全国的に知られる。鳥取砂丘,倉田八幡宮社叢,キマダラルリツバメチョウ生息地,大野見宿禰命神社社叢,白兎神社樹叢,松上神社のサカキ樹林はいずれも国の天然記念物。 JR山陰本線,因美線,国道9号線,29号線,53号線,482号線が通じ,湖山池北部に鳥取空港がある。面積 765.31km2。人口 18万8465(2020)。

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