原価改善(読み)げんかかいぜん(英語表記)cost improvement

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

原価改善
げんかかいぜん
cost improvement

企業活動において生ずる原価について、現在の水準をさまざまな改善の方向へ導き、期待されるレベルにまで引き下げる活動もしくはそのための施策をいう。
 伝統的な原価管理は、科学的な調査に基づいた原価標準を指示して、目標とすべき原価水準を維持して原価能率の向上を図る方策を基本としてきた。このような原価管理は、英語でいうところのコスト・コントロールcost controlという意義をもったもので、具体的には標準原価計算によって原価維持を実践化してきた。
 現行水準を引き下げて原価を計画的に切り下げるためには、使用する素材もしくは仕様の変更、現場作業の変更などの方策を積極的に取り込まなければならない。具体的には、VA(バリュー・アナリシスvalue analysis=価値分析)、VE(バリュー・エンジニアリングvalue engineering=価値工学)、TQC(トータル・クオリティ・コントロールtotal quality control=総合的品質管理)などの技法の活用によって、旧来方式の大胆な変更を導入していく必要がある。このような一連の経営活動を原価改善という。その目的の実効性を高めるためには、エンジニアのような専門家の支援、ABC(活動基準原価計算)のような原価計算技法の採用なども有効であるが、作業現場のくふうに関するアイデアの提供などを尊重することも肝要である。原価改善活動には、工場別もしくは部門別に定期的に推進するものと、特定の不採算製品の改善や経済不況時の製品見直し活動と連動したスポット的な活動とがある。
 現代の原価管理(コスト・マネジメント)は、原価維持、原価改善、原価企画などの諸活動をすべて取り込んだ意味で使われることが多い。[東海幹夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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