TQC（読み）ティーキューシー（その他表記）Total Quality Control

デジタル大辞泉

ティー‐キュー‐シー【TQC】［total quality control］

《total quality control》全社的品質管理。会社全体がQC（品質管理）を理解し、組織的に製品の質を高めること。設計、製造にとどまらず、顧客に接する営業、さらには間接部門まで含めた全社統一運動が特徴。

出典　小学館

流通用語辞典

TQC【Total Quality Control】

企業の中のあらゆる人が参加して進める品質管理、全社的品質管理をいう。かつての品質管理は特定部門のみが行なうものとされていた。しかし、それでは真の品質管理に結びつかないとして、トップから製造や販売の第一線にいたるまでの全員が各々のポジションの中で品質管理を行なうようになった。TQCは、日本の品質管理活動の特徴であり、QCサークルとともに欧米から注目されている。ここでいう品質管理とは、製品・商品などのみを対象としているのではなく、事務や販売などのサービスをも対象としている。販売でいえば、接客技術の向上、効果的なセールス活動のあり方などといったテーマが考えられる。

出典　(株)ジェリコ・コンサルティング

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

TQC
ティーキューシー
total quality control

総合的品質管理あるいは全社的品質管理と訳される。品質管理は企業活動に携わっているすべての従業員の責任であり，目的を効果的に達成するためには，各人が強い品質意識を持たなければならないとの考えに基づいて，製造部門だけでなく製品の設計，販売，サービス，さらには直接製造に関与しない人事や総務といった管理部門に至るまで，企業活動全般を通じて品質管理を行なうというものである。従来の QC (品質管理) との違いは，品質管理，能率向上に加え，組織活性化・意識改革という課題が取り込まれた点であるが，現在では QCと TQCとはほぼ同義と解釈されている。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

百科事典マイペディア

TQC【ティーキューシー】

total quality control（総合的品質管理）の略。全社的品質管理とも。生産現場あるいはその一部門で，ある検査セクションのみに品質管理を委ねるのではなく，経営者から従業員にいたる全部門が一体となって，品質を作り込むという考え方に立つ全社運動。QCサークルという小集団活動と結びついて，あるいは部品供給メーカーも含めた形で展開される。

出典　株式会社平凡社

日本大百科全書(ニッポニカ)

TQC
てぃーきゅーしー

→品質管理

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

世界大百科事典（旧版）内のTQCの言及

【小集団活動】より

…品質管理そのものはアメリカが発祥の地であるが，日本ではそれが伝統的な集団主義と結びつき，1962年，主要な企業で導入が始められて以来，年ごとに関心が高まった。70年ころから，製造現場だけでなく営業･企画･総務など非製造部門も含む全社的な品質管理，いわゆるTQC(total quality controlの略。総合的品質管理と訳される)の考え方が広まり，製造業のみでなく銀行など第3次産業でもQCサークルがつくられるようになった。…

【品質管理】より

…この間日本的品質管理のやり方が確立されたが，その特徴は(1)全社的品質管理company‐wide quality control(CWQC。総合的品質管理total quality control(TQC)ともいう)が実行されていること，(2)各階層，各分野の人々に対する品質管理教育が社内外で徹底して行われている，(3)QCサークル活動の実施，(4)社内外の人々による企業の品質管理診断の実施，(5)全国的な品質管理推進活動，(6)統計的手法の普及･活用，などである。【今泉 益正】。…

※「TQC」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」