原沢第IV遺跡(読み)くずはらざわだいIVいせき

日本歴史地名大系 「原沢第IV遺跡」の解説

原沢第IV遺跡
くずはらざわだいIVいせき

[現在地名]沼津市足高 尾上

愛鷹あしたか山南麓の標高二〇〇メートル付近の尾根上に位置する。後期旧石器時代、縄文時代草創期・早期・前期を中心として営まれた集落遺跡で、足高尾上あしたかおのうえ遺跡群に属する。愛鷹運動公園建設に伴い平成五年(一九九三)と同六年に約三万平方メートルにわたる遺跡のうちの二分の一が発掘調査された。縄文草創期の隆帯文土器は二個体が完形に復原されている。これは胎土に繊維を含み、指先での太い隆帯上への刺突、および平底を特徴としており、南九州方面の隆帯文土器と類似する。また草創期(押圧縄文期)では多数の絡条体圧痕文土器が爪形文土器をわずかに含んで出土し、黒曜石製の尖頭器を伴っていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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