原発性補体欠損症
げんぱつせいほたいけっそんしょう
Primary complement deficiencies
(子どもの病気)
補体とは、生体に侵入した微生物を排除する生体防御のはたらきをしている一群の蛋白質の総称です。この補体成分、あるいは補体制御因子が先天的に欠損、あるいは機能異常を示す病気が原発性補体欠損症で、多くの種類が報告されています。
遺伝形式はX連鎖劣性遺伝、常染色体優性遺伝のものもありますが、多くは常染色体劣性遺伝形式を示すものです。免疫複合体病のようにアレルギー症状を示すものや、易感染性(感染しやすい)を示すものがあります。
治療としては、合併する感染症、膠原病・血管炎の治療が中心となります。肺炎球菌、髄膜炎菌ワクチンが感染予防に有用な場合もあります。補体制御蛋白欠損症のなかのC1(補体第1因子)インヒビター欠損症では、発症の予防に男性ホルモン剤(テストステロン、ダナゾール)が有効です。また、C1(補体第1因子)インヒビター濃縮製剤は日本でも使用できます。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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原発性補体欠損症(原発性免疫不全症候群)
(16)原発性補体欠損症(primary complement deficiency)
概念・病因
補体各成分をコードする遺伝子の異常により,補体蛋白が欠損する.
臨床症状
細菌に対する易感染性がみられる.C5〜C9の欠損では髄膜炎菌などのナイセリアに対する易感染性がみられる.C1〜C3欠損症では全身性エリテマトーデスや腎炎の自己免疫症状を合併することがある.
診断
CH50の低下でスクリーニングし,補体の各因子を定量する.[峯岸克行]
■文献
Notarangelo LD, Fischer A, et al: Primary immunodeficiencies: 2009 update. J Allergy Clin Immunol, 124: 1161-1178, 2009.
Ochs HD, Smith CIE, et al: Primary Immunodeficiency Diseases, 2nd ed, Oxford University Press, New York, 2007.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
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