厭味・嫌味（読み）いやみ

精選版 日本国語大辞典

いや‐み【厭味・嫌味】

〘名〙 (形動) (動詞「いやむ（否）」の連用形の名詞化。「味」は当て字)

① (━する) 人に不快な感じを与える言い方、身なり、態度をすること。また、そのような言い方、身なり、態度。または、それから受ける不快感、嫌悪感。

※俳諧・雪おろし（1751）「又いつか変化の時ありて、加賀紋のいやみならん世あらば、忽此句は聞えず」

② ことさらに気どったさま。きざなさま。にやけたさま。ときに、いやらしさを感じさせるような妙に色っぽい言葉、態度をもいう。

※洒落本・禁現大福帳（1755）三「但薫(たき)物掛香(かけがう)は弱身(イヤミ)なりとて恥しむべし」

※咄本・一雅話三笑（1804‐18）間違「あの紺屋(こうや)の娘は今年十九だが、さっぱり男に厭味(イヤミ)がねえ」

③ 相手のいやがるようなことを、わざわざ意地悪く言ったりしたりするさま。いやがらせ。あてこすり。

※浮世草子・三千世界色修行（1772）四「としよりは気がみじかい、へんたう次第で着るものはがふか、サアどふじゃと悪忌身(イヤミ)のことば取なりに」

※酒中日記（1902）〈国木田独歩〉五月一二日「母から厭味(イヤミ)や皮肉を言はれて」

出典　精選版 日本国語大辞典