去勢コンプレクス(読み)きょせいコンプレクス(その他表記)castration complex

改訂新版 世界大百科事典 「去勢コンプレクス」の意味・わかりやすい解説

去勢コンプレクス (きょせいコンプレクス)
castration complex

S.フロイトの用語。親が幼児の性行動を威嚇したり制限したりすることに対する心理的反応で,去勢の幻想を中心とするコンプレクス。男子は,幼児自慰がさかんとなる男根期(3~7歳)に〈去勢不安castration anxiety〉(去勢されることに対する不安)を経験し,女子はそのころ,本来持っていたペニスを母親に奪いとられたと空想する。成人にもちこされた去勢不安の中心には,依然として去勢されることに対する非合理な恐れを伴う空想がある。さらに去勢不安はそこから派生した形で,他の身体部分が傷つく恐れ,あるいは体力・能力・技術が低下させられる恐怖としても顕現する。女子の去勢コンプレクスは,上記の去勢されてしまったという感じのほか,ペニスの象徴的代理物を所有しようとする衝迫やペニスと等価物になっている器官や活動性に対する不安としても現れる。
→ペニス羨望
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