双性イオン(読み)ソウセイイオン(その他表記)zwitter ion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「双性イオン」の意味・わかりやすい解説

双性イオン
そうせいイオン
zwitter ion

酸としても塩基としも作用しうるものを両性電解質という。たとえば,最も簡単なアミノ酸であるグリシンは酸として H2N・CH2COOH⇔H2N・CH2COO-+H+ ,また塩基として H2N・CH2COOH+H+⇔H3+N・CH2COOH のように作用し,プロトン供与体 (酸) ,プロトン受容体 (塩基) としての両方の働きをする。この両反応が同時に生じたとき H3+N・CH2COO- (みかけはプロトンカルボキシル基よりアミノ基へ移動した形) のように1分子内に正,負の両電荷をもつようなイオンが生じる。このような形のものを双性イオン,あるいは両性イオンという。双性イオンは分子全体としては中性である。アミノ酸の重合体である蛋白質一種の巨大双性イオンと考えられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む