ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「双晶変形」の意味・わかりやすい解説 双晶変形そうしょうへんけいtwin deformation 双晶は特定の結晶原子面を境として両側が対称な原子構造をとる場合に現れる特殊な結晶構造で,金属結晶の場合,ある剪断応力を受けたとき,すべり(→結晶塑性)によらず双晶形成によって変形することがあり,これを双晶変形という。多くは平行な双晶が連続的に現れる。体心立方の α鉄(フェライト)は普通はすべり変形をするが,衝撃的に急に変形させると連続双晶変形をして,いわゆるノイマン線が現れる。またニッケルを含む合金,銅合金,銀合金などの面心立方金属で,加工変形後焼鈍すると,連続的な焼鈍双晶が現れることが多い。これは通常,変形双晶と区別されるが,原因は加工後の内在応力で,それが焼鈍によって顕在化し,双晶をつくると考えられている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by