結晶塑性(読み)けっしょうそせい(その他表記)crystalline plasticity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「結晶塑性」の意味・わかりやすい解説

結晶塑性
けっしょうそせい
crystalline plasticity

金属結晶応力により最初弾性変形したのち,ある程度以上の力で永久変形に移る。この性質結晶塑性という。その基本的機構は転位の運動によるすべり (→結晶のすべり ) である。実際の金属結晶内には非常に多くの転位が存在するので,応力を受けた結晶ではすべりが次々となだれのように起り,結果として結晶全体が変形する。しかしこのなだれは結晶全体に一様に起るのではなく,数万原子面以上の間隔をへだてて起るので,ひとつひとつのなだれで生じたすべり階段 (→すべり帯 ) はすべり線として顕微鏡下に,あるいは単結晶の変形では肉眼でも見ることができる。金属結晶の塑性変形はすべりのほかに双晶変形による場合もあるが,多くの金属ではすべり変形が圧倒的に多い。塑性変形は転位の運動によるので,転位がなければ結晶は硬化するが (→ひげ結晶 ) ,一方転位が多くなりすぎてもその相互作用で転位が動きにくくなるので硬化する (→加工硬化 ) 。

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