双生児の研究で遺伝の関与がわかる

  • (遺伝的要因による疾患)

六訂版 家庭医学大全科の解説

 多因子遺伝性疾患は遺伝子異常と環境との相互作用で発病しますが、どちらの要因が強いか比較的簡単に知る方法があります。一卵性双生児と二卵性双生児の間で発病一致率を比較する方法で、双生児法(そうせいじほう)と呼ばれます。

 一卵性双生児は遺伝学的な背景が同一ですが、二卵性双生児の遺伝学的背景は兄弟と同等です。本文で解説した唇裂(しんれつ)口蓋裂(こうがいれつ)では一卵性双生児の片方が発病していると残りの双生児も35%が発病しています(一致率が100%でないのは環境要因の影響です)。ところが二卵性双生児の一致率は5%にすぎません。この病気は遺伝要因がかなり強いということになります。

 一方、感染症である結核(けっかく)でも一卵性双生児が二卵性双生児の一致率より2.5倍も高くなっています。結核は細菌が感染するかどうかで決まるのだから遺伝は関係ないと思われるかもしれません。しかし、人間の免疫機構は遺伝子の作用を強く受けているので、発病するかどうかは遺伝が関与しているのです。

 このような遺伝の関与が明らかになったため、21世紀の医学では遺伝学が極めて重視されています。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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