最新 地学事典 「反射電子像」の解説
はんしゃでんしぞう
反射電子像
back-scattered electron image
真空中で電子線ビームを試料に照射すると電子の一部は試料の表面から後方散乱される。これを反射電子という。電子線ビームの強度が一定であれば,反射電子の数は試料の原子番号に比例して増加する。この性質を利用して試料の化学組成に対応する平均原子番号の情報が得られる。電子線ビームを試料上で走査させて,そこで発生する反射電子線の強度をモニター上に描かせれば試料の平均原子番号の強弱の分布を見ることができる。これを反射電子像といい,鉱物の累帯構造や微細な組織をもつ物質の断面における化学組成の差異を観察できる。また反射電子は試料面から反射された方向へ直進するので,この性質を利用して二つの方向で検出した反射電子強度を演算回路を用いて合成し,モニター上に試料の凸凹に関するイメージを映し出すことができる。反射電子像を得るためのオプションは,多くの場合,走査電子顕微鏡に装備されていて,二次X線像と併用して用いられる。
執筆者:山口 佳昭
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

