化学辞典 第2版 「反応装置の動特性」の解説
反応装置の動特性
ハンノウソウチノドウトクセイ
dynamics of reactor
時間を考慮した反応装置の特性.反応装置を自動制御する場合,たとえば発熱を伴う触媒反応では,温度暴走を起こさないように装置を安定化し,所定の操作条件で運転できるようにしなければならない.このような制御系の設計には,反応装置の動特性に関する情報が必要である.この動特性を表現するには,まず時間的に変化する入力信号に対して出力信号を実験的に求め,一方,装置内のエネルギー収支および物質収支を表す微分方程式にもとづいた伝達関数と比較して,数式表現に現れるパラメーターを決定する.そして,種々の入力信号に対する応答を計算で求めて検討し,最適の設計条件を決める.動特性を調べるためには,インディシャル応答,インパルス応答,あるいは周波数応答などが用いられ,統計的な手法も行われている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報