取り放つ(読み)トリハナツ

デジタル大辞泉 「取り放つ」の意味・読み・例文・類語

とり‐はな・つ【取り放つ】

[動タ四]
引き離す。別々にする。
「まだ幼くおはせし折より―・ち養ひ奉らせ給ひけるほどに」〈栄花後悔大将
取り外す。
「北の御障子も―・ちて、御簾みすかけたり」〈鈴虫
取り上げる。剝奪はくだつする。
とがもなき入道が所領を―・ちて」〈平治・中〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「取り放つ」の意味・読み・例文・類語

とり‐はな・つ【取放】

  1. 〘 他動詞 タ行四段活用 〙
  2. 取り出して別々にする。とりのけて、ひきはなす。取り分ける。別々にする。
    1. [初出の実例]「このむすめどもをもとりはなちて〈略〉又相見せ奉るべきにも侍らず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
  3. とりつけてあるものをはずす。
    1. [初出の実例]「北のみ障子もとりはなちて、御簾かけたり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)鈴虫)
  4. 取り上げる。剥奪する。とりはなす。
    1. [初出の実例]「咎もなき入道が所領をとりはなちて」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)中)

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