取落す(読み)トリオトス

デジタル大辞泉 「取落す」の意味・読み・例文・類語

とり‐おと・す【取(り)落(と)す】

[動サ五(四)]
手に持っているものを誤って落とす。取りそこなって落とす。「あわてて絵筆を―・す」
なくす。失う。「一命を―・す」
うっかりして忘れる。気づかずにぬかす。「住所記載を―・す」
[類語]落とす落っことす振り落とす払い落とす削り落とす突き落とす蹴落とす打ち落とす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「取落す」の意味・読み・例文・類語

とり‐おと・す【取落】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 手に持っていた物を落とす。取ろうとして誤って落とす。
    1. [初出の実例]「取り落としたる太刀を見れば」(出典:謡曲・盛久(1423頃))
  3. ( 「とり」は接頭語 ) 持物などをうっかりなくす。また、正気を失う。
    1. [初出の実例]「正気を取り落したるものと認めて差支あるまい」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一〇)
  4. ( 「とり」は接頭語 ) 入れるはずのものをうっかりしてもらす。気がつかないで抜かす。忘れる。
    1. [初出の実例]「あまりにあはてさはいでとりおとす物ぞおほかりける」(出典:平家物語(13C前)七)

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