取詰(読み)とりつめる

精選版 日本国語大辞典 「取詰」の意味・読み・例文・類語

とり‐つ・める【取詰】

[1] 〘自マ下一〙 とりつ・む 〘自マ下二〙 (「とり」は接頭語)
① ひどく思い悩んで考えが行きづまる。思いあまる。思いつめる。
※歌舞伎・川中島東都錦絵(1876)序幕「『すりゃ源吾様には、討死をなされしとか、はああ』ト取詰めしこなしにて、がっくりとなる」
病状などが切迫する。危険な状態になる。
※舜旧記‐慶長一五年(1610)九月二日「二位兼見卿晩申刻食事之時、俄にとりつめ死去也」
[2] 〘他マ下一〙 とりつ・む 〘他マ下二〙
① きびしくせめつける。激しくせまる。ひどく悩ませる。つめよる。追いつめる。
愚管抄(1220)七「冷泉院をとりつめまゐらせたり」
② あることを一途に思い込む。思いつめる。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)二「教家執情と云者ぞ。〈略〉心に思ふことをとりつめてえ離ぬ処ぞ」
全体を要約する。概括する。とりつまむ。
国語のため(1895)〈上田万年〉言語学者としての新井白石「とりつめて言へば、白石以来の国語学史は〈略〉白石其人の学説批評であるともいはれます」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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