口問(読み)くちとい

精選版 日本国語大辞典 「口問」の意味・読み・例文・類語

くち‐とい ‥とひ【口問】

〘名〙
① 問いただすこと。
浄瑠璃・和国女眉間尺(1708)四「ほうびはこうによるべしと、一一に口とひす」
② 江戸時代の刑事裁判で行なわれる口頭尋問。口問により、吟味役人は被疑者利害を申し聞かせたり、入牢や責問するなどと威し、自白を得ることに務めた。
御触書宝暦集成‐三〇・延享二年(1745)二月「拷問にかぎらず、口問等之節も」
③ 江戸時代、犯人捜査、逮捕にあたった下役の一種。目明し、岡引(おかっぴき)と称せられるもの。重罪人を助けておいて、捜査の困難な事件の摘発や、容易に逮捕されない犯人の捕縛に利用したのに始まる。正徳二年(一七一二)に禁ぜられたが、その後も容易にすたれなかった。
※禁令考‐後集・第一・巻二・正徳二年(1712)九月五日「附 近年以来罪悪極重之輩をたすけ置、目明し口問なとと名附候て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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