口塩(読み)くちじお

精選版 日本国語大辞典 「口塩」の意味・読み・例文・類語

くち‐じお ‥じほ【口塩】

〘名〙
① 軽く塩をほどこすこと。魚の切り身などに塩をふりかけること。また、そのようにした魚の切り身。
※俳諧・季寄新題集(1848)冬「口しほ しほ甘き鱈のこと也」
② 味わいをつけるもの。退屈やさびしさを紛らわすもの。
※俳諧・江鮭子(1690)「寐ても居られぬ船心なり〈光延〉 淋しさは口塩もなき夕まぐれ〈舞郷〉」
③ (塩があまい意から) 人がよいこと。お人よし。
※歌舞伎・四天王産湯玉川(1818)五立「エエ、口(クチ)しほだわな。ホホホホホおへねへ間抜けだ」
客商売などの家の入口に、縁起物として塩を盛ること。また、その塩。
狂歌徳和歌後万載集(1785)四「ぼうだらになりて海辺をながむれば月影さむし宵の口塩」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「口塩」の意味・読み・例文・類語

くち‐じお〔‐じほ〕【口塩】

魚の切り身などに軽く塩を振りかけること。
じお」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「口塩」の解説

くちじお【口塩】

漬物を作る際、一番上に振りかける塩。⇔底塩
②魚の切り身などに軽く振りかける塩のこと。
③盛り塩。⇒盛り塩

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android