口疾し(読み)クチトシ

デジタル大辞泉 「口疾し」の意味・読み・例文・類語

くち‐と・し【口疾し】

[形ク]
返事返歌がすぐに口をついて出てくるさま。受け答えが早い。
「ことなる事なきいらへを―・く言ふ」〈手習
軽率な発言をするさま。
「跡無き語り言して楽しがる中に…―・き男あり」〈読・春雨・樊噲上〉

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精選版 日本国語大辞典 「口疾し」の意味・読み・例文・類語

くち‐と・し【口疾】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙
  2. ものの言い方がはやい。早口である。また、歌を詠んだり、返歌をしたりするのが早い。くちばやし。舌疾し。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「御返りくちときばかりをかごとにてとらす」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
  3. よけいな口出しをする。軽率にものを言う。くちがるい。くちがろし。
    1. [初出の実例]「人は慮なくいふまじき事を口とくいひ出だし」(出典:十訓抄(1252)四)

口疾しの派生語

くちと‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

口疾しの派生語

くちと‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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