古保山廃寺
こおやまはいじ
[現在地名]松橋町古保山
城南町から雁回山東山麓を越えて松橋町へと通ずる県道筋の北側にある小高い台地の上にある。「下益城郡誌」に「霊運寺跡」とあり、「往古は一時は盛大なりしも、(中略)礎石と伝ふるもの一個残り居るのみ」と記される。第二次世界大戦後の調査で、建物の心礎や普通の礎石、および軒丸瓦・軒平瓦などの布目瓦が出土した。瓦は平安前期・中期、さらにさかのぼれば奈良中期・後期のものと考えられ、また鎌倉期のものもあり、当寺の消長を示唆する。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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