古保山廃寺(読み)こおやまはいじ

日本歴史地名大系 「古保山廃寺」の解説

古保山廃寺
こおやまはいじ

[現在地名]松橋町古保山

城南じようなん町から雁回がんかい山東山麓を越えて松橋町へと通ずる県道筋の北側にある小高い台地の上にある。「下益城郡誌」に「霊運寺跡」とあり、「往古は一時は盛大なりしも、(中略)礎石と伝ふるもの一個残り居るのみ」と記される。第二次世界大戦後の調査で、建物の心礎や普通の礎石、および軒丸瓦・軒平瓦などの布目瓦が出土した。瓦は平安前期・中期、さらにさかのぼれば奈良中期・後期のものと考えられ、また鎌倉期のものもあり、当寺の消長を示唆する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android