朝日日本歴史人物事典 「古山師政」の解説
古山師政
江戸中期の江戸の浮世絵師。古山師重の子で俗称新九郎。月々堂,文志(文翅)の号がある。井上和雄『浮世絵師伝』には,はじめ菱川昌則と称し,宝永年間(1704~11)の作と推定される「柳下美人納涼の図」があると記されているが未詳。5点の版画(柱絵3,浮絵2)と十数点の肉筆画がある。菊岡沾涼『本朝世事談綺』(1734)に名がみえるので,遅くとも享保年間(1716~36)には作画を開始していたと思われるが,今日確認されているのは元文~延享(1736~48)ごろのものが多い。菱川師宣の系統であるが,菱川風を脱し,当該時代様式の江戸絵を基調としている。
(浅野秀剛)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報