古川井手(読み)ふるかわいで

日本歴史地名大系 「古川井手」の解説

古川井手
ふるかわいで

菊池川上流の灌漑用水路。伊倉いくら内の古川より取水し、生味おうみ平野ひらの大柿おかきを灌漑する。「菊池郡誌」によると、文化九年(一八一二)平野村庄屋五島五郎左衛門が同村の零落を救済するため、井手開削を藩主に願い、翌一〇年から二階堂喜左衛門と協力して着工。同一三年に竣工した。生味を通って牧原まきはる大平おおひら井手と土豊水とりゆうず井手・太田おおた井手に分岐する。この分岐点にある明治三〇年(一八九七)の五島五郎左衛門翁碑銘によると、総間数一千九〇六間。うち隧貫八ヵ所(間数四五五間)、土盛の間数二一五間。使役人数一万八千三六三人。費用二五貫七三〇目八分。灌漑面積一六〇余町歩。新田数十町が開かれ、とくに平野・大柿両村は飲水の利も得て恩恵に浴したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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