阿蘇外輪山の北西部阿蘇郡阿蘇町と菊池市の境界付近の
菊池川は菊池の自然と文化を育ててきた。上流の
川の治水・水利の起源も早く、市内を流れる
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熊本県北部の水を集めて西流し島原湾に注ぐ川。幹川流路延長71km,全流域面積996km2。阿蘇外輪山北西部の深葉山に源を発し,阿蘇溶岩を浸食して原生林の茂る景勝地菊池渓谷をつくる。中流域で菊鹿(山鹿)盆地をうるおし,迫間(はざま)川,内田川,岩野川などの支流を合わせ,丘陵地域をえぐる。下流域では菊池平野を灌漑し,海に入る。水力発電所は本流に5,迫間川,内田川に各1があり,さらに2002年迫間川に竜門ダムが建設された。流域には江田船山古墳など史跡が多く,平安時代からの古い用水路もあるなど,早くから開けた所である。藩政時代は城北における物資輸送の大動脈で,川船やいかだで米や木材などが下流の高瀬,大浜(いずれも玉名市)などの河港に運ばれ,さらに大坂の堂島や長崎に送られた。また海産物が川を上り,川筋の広瀬,高島(いずれも菊池市)などの船着場がにぎわった。しかしその水運も鉄道の開通,三角港の開港で明治中期以降しだいに衰えていった。
執筆者:岩本 政教
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熊本県北部を流れる川。阿蘇(あそ)外輪山北西斜面に源を発し、迫間(はざま)丘陵中を流下しながら、菊鹿盆地(きくかぼんち)の中央部を西流、玉名低山地によって流向を南に変えながら菊池平野を経て、島原湾に注ぐ。延長約71キロメートル、流域面積996平方キロメートルの一級河川。阿蘇溶結凝灰岩からなる上流域では、大小の滝をかけた深さ100メートルにも及ぶV字谷を刻み、独特の渓谷美を呈している。中流域の菊鹿盆地では、網の目のように敷設されている農業用水路の給水源として機能するとともに、その流量の豊かさは、かつては広瀬、高島(菊池市)、山鹿(やまが)などに河港を発達させ、城北の経済動脈として機能させたこともあった。下流域には三角州平野を発達させている。1973年(昭和48)長洲(ながす)町地先に臨海工業地区が造成されて以降、菊池川の用水配分も多様化し、増える工業・都市用水の需要とその安定供給化を図るため、支流の一つである迫間川(菊池市)に竜門ダム(りゅうもんだむ)を建設、2001年(平成13)竣工した。
[山口守人]
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