台糖(読み)たいとう

百科事典マイペディア 「台糖」の意味・わかりやすい解説

台糖[株]【たいとう】

準三井系の大手精糖会社。〈スプーン印〉で知られる。1900年台湾提督児玉源太郎が,三井合名(三井財閥参照)の賛助を得て台湾製糖を設立敗戦に伴い台湾の全事業を喪失したが,1946年に在外会社の国内新設が認められ,新日本興業として再発足。同年,大東殖産に改称。1950年に現社名に改称。戦後は精糖業のみならず,製薬部門にも進出。1955年には米チャールズ・ファイザー社と合弁で,台糖ファイザーを設立。健康食品を開発中。本社東京,工場神戸。2003年資本金31億円,2003年3月期売上高262億円。売上構成(%)は,食品97,その他3。2005年4月新三井製糖と合併し,三井製糖となった。→製糖業

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「台糖」の意味・わかりやすい解説

台糖
たいとう

医薬品製造会社。台湾開発を目的に 1900年設立された製糖会社,台湾製糖が前身。第2次世界大戦後,台湾における全事業を失ったが,1946年新日本興業を設立し,同年大東殖産と改称。発酵工業ペニシリン主力とする医薬品の製造販売を専業として再出発し,1950年台糖に社名変更。1955年アメリカ合衆国のチャールズ・ファイザー(→ファイザー)との合弁会社台糖ファイザーを設立。2005年新三井製糖(→三井製糖),ケイ・エスと合併し解散

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世界大百科事典(旧版)内の台糖の言及

【砂糖】より

…しかし日本で本格的な近代的製糖業が始まったのは,日清戦争の結果,台湾が日本の領土となってからである。1900年には台湾製糖(現,台糖)が設立されている。この台湾における製糖業は,植民地経営の主軸となり,大規模な奨励策をうけて生産能力は飛躍的に拡大し,40年代には産出量が年間150万t以上になり,国内消費量(120万t)をこえ,完全な過剰生産になるまでに至った。…

※「台糖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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