史前帰化植物(読み)シゼンキカショクブツ

デジタル大辞泉 「史前帰化植物」の意味・読み・例文・類語

しぜん‐きかしょくぶつ〔‐キクワシヨクブツ〕【史前帰化植物】

帰化植物うち有史以前に稲や麦などの栽培植物とともに日本にもたらされた植物ナズナヤエムグラスベリヒユをはじめ、水田や畑の耕地雑草が多く含まれる。江戸時代末期以前に大陸との交流で渡来したものを旧帰化植物、江戸時代末期以降に渡来したものを新帰化植物として区別する場合がある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の史前帰化植物の言及

【帰化生物】より

…このため,そのような陽地・草原的な環境を生活場所とする生物の生育領域は急速に拡大することになったし,栽培植物に随伴した雑草(耕地雑草)は,栽培植物の移動に伴い,世界各地に運ばれた。日本でも縄文や弥生時代に,そのような過程をたどってもたらされた帰化植物naturalized plantは多いと推定され,それらは史前帰化植物と名付けられている。また,初めは栽培植物として利用されていたものが,そのうち栽培が放棄されて,野生化したものもある。…

【雑草】より

…また,ムギや冬作物の雑草となっているスイバ,ナズナ,ヤエムグラ,スズメノカタビラ,オオバコなど冬を越して春から夏にかけて開花結実する冬生の雑草は,ヨーロッパに起源をもち,中国大陸をへて有史時代初期に日本に入ってきたと推定される。これらの帰化雑草は渡来した時代によって史前帰化植物,旧帰化植物と呼ばれている。 江戸時代末期から現代にかけて渡来し,記録のうえで外来の植物であることが明らかなものを新帰化植物,あるいは単に帰化植物という。…

※「史前帰化植物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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