各和郷(読み)かくわごう

日本歴史地名大系 「各和郷」の解説

各和郷
かくわごう

現各和付近に比定される戦国期の郷名。在地領主各和氏の名字の地とされ、今川貞世(了俊)の子息貞継が各和氏、孫の貞行が角和氏を称している(「寛政重修諸家譜」など)。永禄七年(一五六四)三月一八日、「各和之竜昌院」住持慶岳は長福寺ちようふくじ山などを寄進されており(「原頼延寄進状」永源寺文書)、竜昌院は現各和地内の曹洞宗永源ようげん寺の前身とされる。これが各和の初見といわれるが、正慶二年(一三三三)のものとみられる足利尊氏・同直義所領目録(比志島文書)に北条氏の大仏維貞遺領として「遠江国谷和郷」がみえ、これは当郷の誤記の可能性がある。戦国期には各和氏の活動が知られ、天文七年(一五三八)六月一日に竜昌院を天庵に与えた伊与守道空は各和氏とされる(「各和道空書状」永源寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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